更新日 1990年(平成2年)6月19日〜2023年(令和5年9月26日)
※ 私なりの解釈なので、あくまでも参考までに。
※ 突然の解説変更ございます。
下す可から不る病脉證併せて治を辨ず・第二十
下してはいけない病の脈状と証候ならびに、
それに対する治方を詳しく述べたもの・第二十
(1)脉濡にして而して弱、弱は反って關に在り、濡は反って巓に在り、微は反って上に在り、澁は反って下に在り。
脈が濡そして弱、弱は反って関(陰陽會する位・中圧)に在り、濡は反って巓(陽位)に在り、
微は反って上(陽位)に在り、渋は反って下(陰位)に在る。
微は則ち陽氣不足、澁は則ち血無く陽氣反って微、中風汗出でて反って躁煩す。
微脈は陽気不足であり、渋脈は血が無く陽気が反って少ない。
そういう者が風に中てられ汗が出れば反って煩躁する。
澁は則ち血無く厥して而して且つ寒ゆ。陽微下す可から不。之を下せば則ち心下痞コウ(革+更)す。
渋脈を表す者は血が少なく手足が冷えその上凍えるほどである。そういう陽気が少ない者は下してはいけない。
これを下すとみぞおちが痞え硬くなるからだ。
(2)動氣右に在れば下す可から不。
動悸が右(肺気の虚・肺は外を主どる・腑は大腸)に在れば下してはいけない。
之を下せば則ち津液内竭し、咽燥き鼻乾き頭眩心悸する也。
肺気の虚を下せば大腸の守りが失われ下痢が止まらなくなり津液が失われ咽が燥き鼻中が乾き、
頭中の血気が少なくなり頭がボーっとし、心中の血気が減って動悸がするのである。
(3)動氣左に在れば下す可から不。
動悸が左(肝気の虚・肝は筋を主どる)に在れば下してはいけない。
之を下せば則ち腹内拘急し食下ら不。動氣更に劇しく身熱有りと雖も臥は則ちセグク(足+巻)まんと欲す。
肝気の虚を下せば筋虚と亡血になり腹の中が引っ張られる様に吊り、食事をしても食べた物が下らず胸に痞え、
更に動悸が劇しくなり体を触ると熱いが横になると丸まって寝る。
(4)動氣上に在るは下す可から不。
動悸が臍の上部(心気の虚・掌は心の臓の兪の在る所)に在れば下してはいけない。
之を下せば則ち掌握熱煩し身上浮冷し熱汗自から泄れ、水を得て自から灌がんと欲す。
心気の虚を下せば掌に熱を持ちその手を握ると熱くて堪らなくなるが、身の皮膚を触ると冷たいが、
汗をかくと熱い汗がジトジトにじみ出て、病人はその熱のせいで体に水をかけたくなる。
(5)動氣下も在るは下す可から不。
動悸が下(腎虚)に在れば下してはいけない。
之を下せば則ち腹脹滿し卒に起てば頭眩し、
腎気の虚を下せば更に陰虚になり、熱が腹に入り込んで陰が勝ち腹が膨れて満り、
下せば腎を動じて血が動揺して急に起き上がると頭がぐらつき目の前が真っ暗になり
食すれば則ち下し穀を清し心下痞する也。
胃に食物を入れれば胃が実して陽虚し、その後下に虚が有る為に守り固まらず腸の虚をもって穀の重みに勝てず、
下痢が止まなくなり便の回数多くその後心下が痞えるのである。
(陽虚去らなければ胃の実は解けず胃に物が留まるから心下痞になる)
(6)咽中閉塞するは下す可から不。之を下せば則ち上輕下重し水漿下らず臥は則ちセグク(足+巻)まんと欲し、
身急痛し下利日に數十行。
咽から食道の辺りが塞がる者を下してはいけない。これを下せば、上半身がふらつき下半身は重怠く、
水や飲料水も咽喉から下へ下らず、寝ようと横になるが塞がって手足を縮めて丸くなりたがり、
身体が激しく痛み、下痢が一日の内に2〜30回も続いてしまう。
(7)諸の外實する者は下す可から不。之を下せば則ち微熱を發す。脉を亡ぼし厥する者は臍に當って握熱す。
風や寒や熱や湿等の諸邪により表が実する者は下してはいけない。これを下せば微熱を発するようになる。
そして下すと脈が無くなり手足が冷たくなった者は臍が握られる様に熱くなる。
(8)諸の虚する者は下す可から不。之を下せば則ち大いに渇す。
亡陽(寒気が有る者)や亡血(手足が冷える者)や亡津液(津液を失い熱がる者)等の虚している者は下してはいけない。
これを下せば大いにのどが渇いて水を欲しがる。
水を求むる者は愈え易く、水を惡む者は劇し。
その水を飲めば病が治りやすくなる者も居るが、水を嫌がる者(胃中に冷えが有る)は治りにくい。
(9)脉濡而弱、弱は反って関に在り、濡は反って巓に在り、弦は反って上に在り、微は反って下に在り。
上実下虚しているのに脈は濡で弱、弱脈が反って関(陰陽會する位・中圧)に在り、濡脈は反って巓(陽位)で、
弦脈は反って上(陽位)に在り、微脈は反って下(陰位)に在る。
弦を陽運と爲す。微陰寒と爲す。上實して下虚し意温まるを得んと欲す。
弦を陽運とし、微は陰寒とする。上焦は実して熱をもっているのに、下焦は虚して冷えているから
身体を温まりたいと思うのである。
微弦を虚と爲す。虚なる者は下す可から不る也。
この場合の微と弦の脈を表すのは陽気が虚しているからである。陽虚の者は下してはいけない。
(10)微は則ち逆と爲す。ガイ(亥+欠)すれば則ち涎を吐す。之を下せば則ちカセキ(亥+欠)止みて而して利し、因って休まず。
微の脈は逆治から生じたものである。そういう者が咳をするとよだれを吐く。これを下すと咳は止むが、
下しから始まった下痢は止まらなくなり、
利止ま不れば則ち胸中蟲の齧むが如く、粥を入れれば則ち出で、小便不利し、兩脇拘急し、喘息難きを爲し、
下痢が止まらなければ胸中が虫にでも噛まれる様に痛み、粥を食べさせると直ぐに下痢になって出てしまい、
小便は出なくなり、両脇が詰まって息苦しくなり、息をする度にゼイゼイと音お立て
頸背相引、臂は則ち不仁し、極寒反って汗出で身冷ゆること冰の若く、眼セイ(目+青)慧かなら不。
頸から背にかけて引き攣り合い腕を動かすことが出来なくなり、厳しい寒さなのに汗が出て身体が氷の様に冷え、
眼球がよどんで物の見極めが出来ず、
語言休ま不して而して穀氣多く、入る此れを除中と爲す。
ひっきりなしに喋り続け、そして夢中で物を食べたがる。この証候は除中と言って、
胃気が絶え本能で栄養を欲しがり胃中に物を入れようとするのである。
口言はんと欲すると雖も舌前むるを得不。
そして喋ろうとしても舌が攣って伸びなくなり話せないのである。
(11)脉濡而弱。弱は反って関に在り、濡は反って巓に在り、浮は反って上に在り、數は反って下に在り。
脈が濡で弱、弱は反って関(陰陽會する位・中圧)に在り、濡が反って巓(陽位)に在り、浮が反って上(陽位)に在り、
数は反って下(陰位)に在る。
浮は陽虚と爲し、數を無血と爲す。浮は虚と爲し、數は熱と爲す。浮は虚と爲し自汗出でて而して惡寒し、
その浮脈は陽虚の表れであり、数脈は血が少ない表れであって、浮脈は元来虚であり数は熱であるから、
浮が表の虚を表す場合には外の守りが緩むから自然に汗が出て、そして陽虚は陰に勝てないから悪寒する。
數は痛みを爲し、振寒して而して慄ふ。
数は熱が滞るから痛みを発してしまい、血が少なければ陽が入ることが出来ず内が冷え振寒して慄う証を発するのである。
微弱関に在り、胸下急を爲し、喘汗して而して呼吸を得不。
そして関(陰陽會する位・中圧)に微弱の脈が在るということは中に虚寒有る徴であるから胸下が詰まる。
そして陽虚気漏れて肺気が弱まり、ゼイゼイと喘ぎ苦しみ油汗をかいて息がしにくくなり、
呼吸の内痛み脇に在り、振寒相搏ち形瘧状の如し。醫して反って之を下す故に脉數をして發熱狂走鬼を見さ令め、
息をする度に脇が痛み、振と寒とが互いに打ち合い、その形がまるで瘧状の様である。
それを医者が下してはいけない者を反対に下すと、脈を数にさせて血が少なくなり熱を発せさせ、
狂走鬼(狂い走りその姿が鬼の様な格好になる)にさせたのである。
心下痞を爲し、小便淋瀝し小腹甚だ硬く小便すれば則ち尿血する也。
そして心下に痞えを生じ、小便がポタポタと垂れ出て、下腹が石の様に堅く、小便すれば尿から血が出るのである。
(12)脉濡而緊、濡は則ち胃氣微しく、緊は則ち榮中寒す陽微にして衛、風に中てられ發熱而惡寒し、
脈が濡で緊、濡脈は胃の働きが少なく、緊脈は栄気が寒に中てられて陽気が微である為に衛気が風に中てられて、
その為に発熱と悪寒の証が表れる。
榮緊にして胃氣冷え微嘔し心内煩するを、醫大熱有りと爲して飢を解して、
栄気が緊になれば胃気が冷えると微嘔と心内煩の証が表れる。それを医者が風寒より発する表熱と判断して、
汗を發すれば陽を亡ぼし、虚煩燥心下痞堅を苦しみ、表裏倶に虚竭し、卒に起ちて而して頭眩し、客熱皮膚に在り。
表を解く為に汗を発してしまい陽気を亡ぼし、虚から生ずる煩と心下痞堅を患って苦しみ、
表と裏の両方を虚さしつくさせ、急に起きると頭がぐらつき、一時的にできた熱が体の表面に在り、
悵怏として眠るを得不、胃氣冷え、緊寒關元に在るを知らず、技巧施す所無く、
嘆き哀しいやるせない気持ちになり眠ることが出来なくなる。胃気が冷えて脈が緊になり、
血の寒が関元(任脈の経穴)に在るのを知らず医者が技を巧みに施そうと思うが病源が見当たらず、
水を汲んで其の身に灌ぐれば、客熱時に應じて罷み、慄慄而振寒す。
井戸から水を汲んで病人の体にかければ、それにより一時的に出来た熱は直ちに治まるがブルブルと震えだし、
被を重ねて之を覆えば汗出で而して冒巓し體タ而又振ひ小便微難を爲し、
今度はそれを温めようと服を重ね着させてやれば汗が出だして病人の意識が朦朧となり、
身体がピクピクと動いて震え小便の出が悪くなり、
寒氣水に因りて清穀を發し間を容れ不。嘔變じて反って腸より出で
栄中の寒と胃気とが水を浴びせられた為に消化していない穀物が止めどなく下って下痢をさせ、
休む間もなく嘔が下痢に変じて、口からではなく腸から出てしまう。
巓倒安きを得不、手足微逆を爲し、身冷えて内煩す。遲く後從り救はんと欲するも安くんぞ復た追還す可けん。
動揺して平常心を失い、手足に力が入らず鈍くなり、身は冷えているのに体が熱く感じ悶える。
こうなってしまったら取り返しがつかず手遅れである。それでもどうにか元に戻そうと思うがどうにもならないのである。
(13)脉浮而大、浮を氣實と爲し、大を血虚と爲す。血虚は無陰と爲す。孤陽獨り陰部に下る者は小便當に赤而難く、
脈が浮で大、浮脈は陽気の実であり、大脈は血虚である。陰を伴わない陽が陰部に降る者は、
小便は当然赤くて出が悪いはずである。
胞中當に虚なるべし。今反って小便利して而して大汗出づ。法應に衛家當に微なるにおうずべし。
下腹の中が当然虚しているはずである。今それが反対に小便が出やすく大いに汗が出るのは、
物の道理として皮膚を護る衛気は当然微でなければなら。
今反って更に實し、津液四射し、榮竭き血盡き、乾煩而眠るを得不、
しかし今反って普通より実し、汗が全身から出て、血の巡りが悪く、血も少なく、
体の中が乾いた為に悶えて眠る事が出来なくなる。
血薄り肉消而暴液を成す。醫復た毒藥を以て其の胃を攻む。此れを重虚と爲す。
血も薄まって肉が減り、その為に体液を荒らす。医者がまた下剤を用いて胃を攻め更に重い虚になってしまい、
客陽去るに期有り必ず下すこと汚泥の如く而死す。
わずかな残りの陽が去ってしまい、この陽が尽きる時には必ずドロドロとした粘液の臭気の有る黒便を下し
死んでしまうのである。
(14)脉數の者久しく止ま不、止めば則ち邪結して正氣復する能は不。
脈数の者で、その数が長く止まず、突然止んだと思えば邪気と正邪が表で争い、数脈を止めるとその為に邪が結ばれて、
正気その結を解き復すことが出来ず、
正氣却いて藏に結ぼる故に邪氣皮毛與相ひ得て、脉數なる者は下す可から不。之を下せば則ち必ず煩し、利止まず。
反って自から退いて臓に結することになる。だからこの様な原因で脈が数になっている者は下してはいけない。
これを下せば必ず煩が生じて、下しによって起きた下痢が止まなくなってしまうのである。
(15)脉浮大なるは應に發汗におうずべし。醫して反って之を下さば大逆と爲す。
脈が浮大の者は、表に病が在って、外を発する兆しが盛んであるという事であるから発散させればいい。
(大体、病が外表に集まれば内は必ず虚している)
医者が反対にこれを下せば虚が更に虚してしまう。これは大間違いであり、やってはいけないことである。
(16)嘔多ければ陽明の證有りと雖も之を攻む可から不。
陽明病で裏実している者は下せばいいが、他薬から陽明病を起こし陽明の証を発していても、
嘔が多ければ熱気が外に向かうものであって、なお全く裏に入るにいたらず上気する者は下してはいけない。
(17)太陽病外證未だ解せ不るは下す可から不。之を下すを逆と爲す。
太陽病で悪寒や発熱の外証が未だ在る者は下してはいけない。これを下すのは間違いである。
(18)夫れ病陽多き者は熱す。之を下せば則ちかた(革+更)し。
現在、陽の多い病を患っている者が、身熱や発熱や潮熱の熱の証候を表しているのを下すと大便が硬くなって出なくなる。
(19)陽無く陰強く大便カタ(革+更)き者は、之を下せば則ち必ず穀を清し腹滿す。
陽気が無くなって陰気が強く大便が硬くて出にくい者はこれを下せば必ず食べ物が消化せず何回も下痢を起こして腹が満る。
(20)傷寒發熱頭痛し微に汗出づるは汗を發すれば則ち人を識ら不。之を薫ずれば則ち喘し小便を得不、心腹滿す。
傷寒病で発熱して頭痛し、少しずつ汗が出て肌が湿っている者に汗をかかせると意識を失い、火で身体を暖めれば
ゼイゼイと喘ぎだし少しでも小便を出せば楽になるかもしれないと思って小便をしようとしても出ず、心下から腹にかけて満り、
之を下せば則ち短氣し小便難く頭痛し背強ばる。温鍼を加ふれば則ち衄す。
これを下せば息遣いが劇しくなり、小便の出が悪くなり、頭痛が増し、背中が強張り、温めた針を刺すと鼻血が出る。
(21)傷寒脉陰陽倶に緊惡寒發熱すれば則ち脉は厥せんと欲す。
傷寒を患って尺中も寸口も緊脈で悪寒と発熱すれば脈は厥したがるのである。
厥する者は脉初めに來たること大にして漸漸に小となり更に來たりて漸漸に大となる。是れ其の候也。
厥するというのは、初めに来る脈は大であるが、それが段々と小となり、そして終わると思ったら、
また段々と大きくなっていくものである。
此くの如き者にて惡寒甚だしき者は翕翕と汗出で喉中痛み、熱多き者は目に赤脉多くセイ(目+青)慧かなら不。
この様な脈の者に悪寒が酷い者と熱が多い者とがあるが、その悪寒が酷い者は湯気が昇る様に汗が出て喉中が痛み、
熱が多い者は眼球の充血が多く出て黒目や瞳はどんよりして光が無い。
醫して復た之を發すれば咽中則ち傷る。若し復た之を下せば則ち兩目閉じ寒多き者は清穀を便し、熱多き者は膿血を便す。
この様な悪寒が酷い者や熱が多い者を更に医者が発汗させると咽中に傷が付き、もしも下しをかけると
両眼が閉じて開けられなくなり、悪寒が甚だしい者は下痢清穀が始まり、熱が多い者は肛門から膿や血を下す。
若し之を薫ずれば則ち身に黄を發し、若し之を熨すれば則ち咽燥す。
もしそういう者に発刊の代わりに火で薫ずると黄疸を起こし、もしこれを火で温めると咽がカラカラに燥く。
若し小便利する者は之を救ふ可し。小便難き者は危殆と爲す。
以上の様な場合に小便が出る者は助けられるが、小便が出にくくなった者はとても難しい。
(22)傷寒發熱口中より勃勃として氣出で頭痛目黄衄制す可から不。水を貪る者は必ず嘔し、水を惡む者は厥す。
若し之を下せば咽中に瘡を生じ、
傷寒で発熱し口からハァハァと息が出て頭痛して眼球が黄色くなり鼻血が出て止まらず水をガブガブ飲みたがる者は必ず嘔し、
水を飲みたがらない者は手足が逆冷する。もしもこれを下せば咽中に傷が出来る。
假令手足温かなる者は必ず下重して膿血を便し、頭痛目黄する者は若し之下せば則ち兩目閉じ、
例えば手足が温かくなる者が居たら必ず腹が渋って痛み膿血を下し、頭痛、眼球が黄色くなっている者で、
衄不下制の無い者を下したら両目が閉じてしまい開けられなくなり、
水を貪る者は脉必ず厥し、其の聲嚶し咽喉塞がる。
水をガブガブ飲みたがる者は脈の大きさにムラができ声を出そうとしてもただアゥアゥとしか声が出せず咽喉が塞がる。
若し發汗すれば則ち戦慄し陰陽倶に虚し、水を惡む者は若し之を下せば則ち裏冷えて食を嗜ま不。大便完穀して出で
もしその頭痛目黄の者を発汗させたら身体がガタガタと震え陰陽共に虚して、
頭痛目黄の者で水を嫌がる者を下せば裏が冷えて食欲が出ず大便に食べた物がそのまま消化されず出てしまう。
若し發汗すれば則ち口中傷れ舌上白胎煩燥し、脉數實大便せ不ること六七日後に必ず便血す。
もし発汗してしまったら口中に傷が出来、もし頭痛目黄を生じて舌上に白苔が有り煩燥して脈が数実で、
大便が6〜7日も出ない者は後に必ず血便が出る。
若し汗を發すれば則ち小便自利する也。
もしこの脈数実の者を発汗すれば小便が出やすくなる。
(23)下利脉大なる者は虚也。其の強いて之を下したるを以ての故也。
下痢をしている者の脈が大の場合、これは虚しているのである。それは無理に下した為にそうなったのである。
設し脉浮革因って爾かあって腸鳴る者は當歸四逆湯之を主どるに屬す。
もし脈が浮で革(弦大で中が空)であって、しかもその浮革の脈が無理して下した為に生じたのであって
腸がゴロゴロと鳴る者は、当帰四逆湯が中心となる病証に属しているのである。
《下す可から不る病脉證併せて治を辨ず・第二十》
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