更新日 1990年(平成12年)6月27日〜2023年(令和5年9月5日)
※ 私なりの解釈なので、あくまでも参考までに。
※ 突然の解説変更ございます。
吐する可きを辨ず・第十九
吐に適応する証候ならびに、それに対する治方を詳しく述べたもの・第十九
(1)大法として春は吐するに宜し。
原則として、春は諸物が出る時期(地下より地上へ出る機と趣の時期)なので、吐により除きやすくなり、
そうしてやる方が良い。
(2)凡そ吐湯を用い病に中らば即ち止どむ。必不しも劑を盡くさざる也。
大体は吐剤の湯(散剤も重ねた物とみて良い)を用い、病証が合えば吐は治まる。必ずしも三回服さなくてもよい。
(3)病胸上諸れ實し胸中鬱鬱として而して痛み食する能は不、人を使て之を按ぜしめんと欲し、
病の為に胸が詰まり、胸中がモヤモヤして開けず、その上痛みまであり、この為に物を食べる事も出来ず、
誰かこの胸を擦って中のモヤモヤをとって欲しいと言い、
而も反って涎唾有り、下利日に十餘行、
しかも胸中が塞がっているにもかかわらず、口からヌルヌルした唾を吐き、一日の間に腹が十回以上も下り、
其の脉反って遲、寸口の脉微滑なるは、此れ之を吐す可し。之を吐すれば利は則ち止む。
熱が有るのに脈は反って遅く、特に寸口だけが微滑を表している者は吐かせてやりなさい。
そうすれば下痢は止まるのである。
(4)宿食上カン(月+完)に在る者は當に之を吐すべし。
1日以上穀物が消化されず胃中に停滞し、それが胃の上部に在る者は、当然吐かせてやりなさい。
(5)病人手足厥冷し脉乍ち結するは客氣胸中に在るを以て心下滿而煩す。
病人の手足が厥冷し、脈はしばらくの間不整脈になる者は、病源が胸中に在る為で、
そういう場合は、心下が満り胸中が悶えるという病証を伴うはずである。
食を欲して食する能は不る者は病胸中に在り。當に之を吐すべし。
そしてお腹が空いて食べたいと思うが、心下が満っている為に食べられない者は、
病源が胸中に在る為だから当然これを吐かせてやりなさい。
《吐する可きを辨ず・第十九》
↑このページのTOPに戻る↑
←トップページに戻る