更新日 2003年(平成15年)6月23日〜2023年(令和5年)11月10日
※ 私なりの解釈なので、あくまでも参考までに。
※ 突然の解説変更ございます。
中風歴節病の脉證と并びに治 第五
中風病(脳出血類)と歴節病(関節炎)の脈状と証候ならびに、
それに対する治方を詳しく述べたもの・第五
(1)夫れ風の病為る、当に半身不随すべし。或いは、但臂遂げ不る者は、此を痺と為す。
(1)そもそも中風病に罹ると半身不随になるが、ただ肘だけ自由が利かなくなった者はこれは痺であって中風病ではない。
脉微にして數、中風然しむ。
半身不随になったり、なりかかったりして、その脈が微かで早い者は、中風病がそれをさせた証拠である。
(2)寸口の脉浮にして緊、緊は則ち寒と為し、浮は則ち虚と為す。
(2)寸口の脈が浮で緊の場合、緊脈は寒からなり、浮脈は虚からなる。
寒虚相搏ち、邪皮膚に在り、浮なる者は虚と為す。絡脉、空虚、賊邪、瀉さ不、
寒と虚が打ち合うと病邪が皮膚に入り込み、浮脈になった者は血虚するから、
絡脉が虚してしまい病邪を追い払うことが出来ない。
或いは左、或いは右、邪氣反って緩く、正氣即ち急。
邪気が左又は右に入り込むと半身を動かすことが出来ず、顔面半分が動かなくなったなった者は、
邪気有る方が反って緩んでしまい、反対側の正気有る方は、反って引っ張られて突っ張る。
正氣邪を引き、カ(口+咼)僻遂げ不、
正気有る方から、邪気有る方を引こうとすると、口が曲がって顔が歪み、
自分の意志では動かすことが出来ず身体を真っ直ぐに保つことが出来ない。
邪、絡に在れば、肌膚不仁、邪經に在れば、即ち重くして勝え不、
病邪が絡脉に在れば、皮膚が痺れて感覚が無く、病邪が経脈に在れば、身体が重く感じ耐えられない。
邪、腑に入れば、即ち人を識ら不、邪、蔵に入れば舌、即ち言い難く、口涎を吐く。
病邪が六腑に侵入すれば、意識不明の昏睡状態に陥る。病邪が五臓に入れば、ろれつが回らなくなり口が緩み涎を垂らす。
(3)候氏黒散は、大風で、四肢煩し重く、心中が悪寒して不足する者を治す。
(3)侯氏黒散は、風邪が外にあって、肌の感覚が無く、手足が重だるく、心中がヒヤヒヤとして頼りない感じがする者を治す。
外臺は瘋癲を治す。
外台秘要方には、風による癲癇の病を治す。とある。
(候氏)黒散の方 菊花四十分 白朮十分 細辛三分 茯苓三分 牡蠣三分 桔梗八分 防風十分 人参三分 礬石三分
黄ゴン(草冠+今)五分 当歸三分 乾薑三分 キュウ(草冠+弓)窮三分 桂枝三分
(候氏)黒散の作り方 菊花40g 白朮10g 細辛3g 茯苓3g 牡蠣3g 桔梗8g 防風10g 人参3g 礬石3g
黄ゴン(草冠+今)3g 当帰3g 乾姜3g キュウ(草冠+弓)窮3g 桂枝3g
右十四味を杵いて散と為し、酒にて方寸匕を服す。日に一服。初めて服する二十日は、温酒にて調え服す。
右の十四味を杵いて散とし、酒と倶に2g服す。一日一回服す。初めの二十日間は酒を温めて服す。
一切の魚肉大蒜を禁ず。常に宜しく食すべし。六十日にて止む。即ち薬積中に在りて下ら不る也。
侯氏黒散を服している間は、一切、魚・肉・ニンニクを食してはいけない。常に必ず冷たい物を食すること。
そうすれば腹中に薬効が積み重なり下らないから六十日間で服薬が終わる。
熱食すれば即ち下る。冷食して自ら能く薬力を助く。
もし熱い物を食すれば薬効が下ってしまう。だから服薬中の六十日間は冷たい物を食し、自分で上手に薬力を助けなさい。
(4)寸口の脉遅にして緩、遅則ち寒と為す。栄緩なれば則ち亡血と為し、衛緩なれば則ち中風と為す。
(4)寸口の脈が遅で緩の場合、遅は寒があるからで、緩は虚だからである。この緩というのは二種類あり、
一つは栄気が緩の場合は血が不足している。もう一つは、衛気が緩の場合は中風病になる。
邪氣經に中れば、則ち身痒くしてイン(ヤマイダレ+隠)疹し、心気足ら不して邪氣中に入れば、則ち胸滿して短氣す。
衛気が虚している者で邪気が経脈に中れば、皮膚の中に見えない吹出物類ができ、その為に身体が痒くなる。
もし心気が不足している為に経脈に中った風邪を食い止めることが出来ない場合、
邪気は中に入り込み、胸が張って苦しくなり息切れがする。
(5)風引湯は、熱ナン(ヤマイダレ+難)癇を除く。
(5)風引湯は、中風病の者で、熱により時々手足が縮まって引きつけられたり痙攣するその熱を取り去る。
この病は一日に何回も発作がある。
風引湯の方 大黄四両 乾薑四両 龍骨四両 桂枝三両 甘草二両 牡蠣二両 寒水石六両
滑石六両 赤石脂六両 白石脂六両 紫石英六両 石膏六両
風引湯の作り方 大黄4g 乾薑4g 龍骨4 桂枝3g 甘草2g 牡蠣2g 寒水石6g
滑石6g 赤石脂6g 白石脂6g 紫石英6g 石膏6g
右の十二味を杵いてアラ(鹿+鹿+鹿)く篩い、い韋嚢を以て之を盛り、三指撮を取り、井華水三升にて煮て三沸、一升を温服す。
右の十二味を杵いて粗目の粉にし、粗い目の篩でふるい、動物の毛を取り去って柔らかくした袋の中に入れ、三つ指でつまみ取り、
朝一番に汲み取った井戸水120ccと共に煮て三回グツグツグツと沸騰させたら火から下ろし一回に40cc温め服す。
大人の風引少小驚癇ケイ(ヤマイダレ+契)ショウ(ヤマイダレ+從)日に数十發し、醫も療せ不る所を治す除熱の方、
巣氏、脚氣に風引湯が宜しと云う。
大人では中風により引きつけを起こす病、六歳から十八歳までの子供の癲癇、
六歳以下の子供の引きつけや痙攣が、一日に数十回も続き、医者が治せない処を治してくれる熱を取り去る方。
「諸病源候論」著者の巣氏は云う。痺れ、麻痺、痛み等の脚の病に風引湯が良い。
(6)防已地黄湯は、病狂える状の如く、妄行獨語休ま不寒熱無く、其の脉浮なるを治す。
(6)防已黄耆湯は、気が狂ったような状態で無茶苦茶でデタラメな行動をとったり独り言を言い続けるが、
寒気や発熱は無く、その脈が浮である者を治す。
防已地黄湯の方 防已一分 桂枝三分 防風三分 甘草一分
防已黄耆湯の作り方 防已1g 桂枝3g 防風3g 甘草1g
右四味を以て一盃を酒之を漬くる。一宿絞りて汁を取る。生地黄二斤をフ(口+父)咀し、之を蒸すこと斗米飯の如く久しくし、
右の四味を酒40ccと共に一晩漬けておき、翌朝その汁を絞る。別に生地黄32gを刻み、米を炊く感じで約30分程これを蒸し、
銅器を以てその汁を盛り、更に地黄の汁を絞り、和して分け再服す。
一晩漬けておいた絞り汁を銅器の中に入れ、更にその中に蒸した地黄を絞って汁を加えて混ぜ合わせ、
それを二回に分けて温め服す。
(7)頭風摩散の方 大附子一枚炮る 鹽等分
(7)頭風摩散の作り方 大附子1個炮る 塩等分
右二味を散と為し、沐了し、方寸匕を以てチン(ヤマイダレ+火)上を巳摩し、薬力をして、行らしむ。
右の二味を散とし、先に髪を洗い終わらせ、約2gを用いて頭上の疾患部によく擦り込めば薬力が巡り渡る。
(8)寸口の脉沈にして弱、沈即ち骨を主どる。弱は即ち筋を主どる。沈は即ち腎と為し、弱は即ち肝と為す。
(8)寸口の脈が沈で弱の場合、沈は骨に関係し、弱は筋に関係する。沈は腎を表し、弱は肝の虚を表している。
汗出づるに水中に入り、もし水心を傷られば、歴節より黄汗出づ。故に歴節と日う。
この時に汗をかいている所に水中に入れば心がやられて関節から黄色い汗が出る。(これは内熱が出たという事)
これを歴節病と言う。
(9)跌陽の脉浮にして滑、滑は則ち穀氣実し、浮は則ち汗自から出づ。
趺陽の脈が浮で滑の場合、滑は消化の働きが盛んで、浮は汗が自然に出るということである。
(10)少陰の脉浮にして弱、弱は則ち血足らず、浮は則ち風と為す。風血相搏てば、即ち疼痛掣するが如し。
足の少陰の脈(足首の内踝の後ろにある後脛骨動脈・太谿穴)が浮で弱の場合、弱は血の不足によるものであり、
血の不足と風邪を一緒に患うと疼き痛み引き吊れる様になる。
(11)盛人脉ジュウ(シ+嗇)小短氣自から汗出で、歴節疼み、屈伸す可から不るは、
此皆酒を飲み汗出づるに風に当たり致す所。
体が丈夫な人の脈が渋で小で呼吸が早く自然に汗をかき關節が疼いて屈伸する事が出来ないのは、
これは全部酒を沢山飲み、汗が出ている所に風に当ったからである。
(12)諸の肢節疼痛し、身体オウ(田+儿+王)羸脚腫脱するが如く、頭眩短氣温温吐せんと欲するは、
桂枝芍薬知母湯之を主どる。
諸々の手や足の関節が疼き痛み、身体は痩せ衰え、脚は曲がって変形し、脚が腫れてもげそうな位に重く、
頭眩してして呼吸が早く胸中が一杯になり込み上げてくる感じがして吐き気がする者には、桂枝芍藥知母湯が中心となる。
桂枝芍薬知母湯の方 桂枝四両 芍薬三両 甘草二両 麻黄二両 生薑五両 白朮五両 知母四両
防風四両 附子二枚炮じる
桂枝芍薬知母湯の作り方 桂枝4g 芍薬3g 甘草2g 麻黄2g 生薑5g 白朮5g 知母4g
防風4g 附子0.4g炮じる
右九味を水七升を以て煮て二升を取り、七合を温服す。日に三服す。
右の九味を水280tと共に80tになるまで煮詰めて滓を去り、1日3回に分けて温め服す。
(13)味酸すれば則ち筋を傷る。筋傷らるれば則ち緩む。名づけて泄と日う。
酸味の物を摂り過ぎると筋を傷め筋が緩む。これを名付けて泄と言う。
(酸は肝臓を補うもの。筋は肝に属する)
鹹は則ち骨を傷る、骨傷らるれば則ち痿す、名づけて枯と日う。枯泄相搏つ、名づけて断泄と日う。
塩味の物を摂り過ぎると骨を傷め水分を取られて骨の形体が崩れてしなびてしまう。これを名付けて枯と言う。
枯と泄とがぶつかり合う事を名づけて断泄と言う。
栄氣通ぜ不れば衛獨り行か不、栄衛倶に微なれば、三焦御する所無く、四属断絶す。
栄気が経脈の中を通わなくなれば衛気は経脈の外を廻ることが出来なくなり、栄気と衛気が共に少なければ三焦は
寄る所がなく四つの水穀、血、気、髓が断絶され、
身体羸痩して獨り足のみ腫大黄汗出で、經冷ゆ。假令ば發熱すれば便ち歴節と為す也。
身体が痩せ衰え、足だけが腫大し、黄色い汗が出て、経が冷える。と言っても未だ歴節病にはなっていない。
これに発熱を伴えば歴節病と言えるのである。
(14)病歴節屈伸す可から不。疼痛するは烏頭湯之を主どる。
歴節の病で屈伸する事が出来ず疼痛(ズキズキと疼き痛む)するのには烏頭湯が中心となる。
(15)烏頭湯の方は、脚氣で疼痛し屈伸す可から不るを治。
烏頭湯の方は歴節病類で疼痛し屈伸できないものを治す。
烏頭湯の方 麻黄三両 芍薬三両 甘草三両炙る 川烏五枚フ(口+父)咀し蜜二升を以て煎じて一升を取り即ち烏頭を出だす
烏頭湯の作り方 麻黄3g 芍薬3g 黄耆3g 甘草3g炙る 川烏1g蜜80tをもって刻んだ烏頭を煎じ40tにする
右五味フ(口+父)咀し、四味を水三升を以て煮て一升を取り滓を去り、蜜煎中に内れ、更に之を煎じ、七合を服す。
知ら不れば盡く之を服す。
右の五味中の川烏以外を細かく刻み、水120tと共に40tまで煮詰めて滓を去り、蜜煎中に入れて更にこれを60t煮詰め、
先ず30t服し、効果が無い時は残りの30tを服す。
(16)礬石湯は脚氣の衝心を治す。
礬石湯は、脚気の気が上って心を衝き、死にそうなものを治す。
礬石湯の方 礬石二両
礬石湯の作り方 礬石2g
右一味を漿水一斗五升を以て、煎じること三五沸、脚を浸して良し。
右の一味を酢300tと水2700tを混ぜ合わせ、それを火にかけてブツブツ3〜5個泡が出てきたら火から下ろし、
足の踝辺りまで浸してやりなさい。
附方 古今録験続命湯は中風ヒ(ヤマイダレ+非)で身体を自ら収むること能わず。口言う能わず。
附方 古今録験方の続命湯は、中風のヒ(ヤマイダレ+非)の病(痺れ・麻痺)で、身体を自分で動かす事も喋る事も出来ず、
冒昧にして痛む處を知らず。或いは拘急して轉側するを得不るを治す。
ボンヤリして、痛む所も判らず、或は引き攣って寝返りを打つ事が出来ない者を治す。
姚云う。大続命を与え、同じく兼ねて婦人産後去血の者、及び老人小児を治す。
姚氏が言う、こういう者には大続命湯を与え、そして同じく婦人の産後で出血が多かった者や、
老人や小児(小児麻痺等)で弱っている者を治す。
続命湯の方 麻黄三両 桂枝三両 当帰三両 人参三両 石膏三両 乾薑三両 甘草三両 キュウ(草冠+弓)窮四十枚 杏仁四十枚
続命湯の作り方 麻黄2g 桂枝2g 当帰2g 人参2g 石膏2g 乾姜2g 甘草2g キュウ(草冠+弓)キュウ(草冠+窮)1.5g 杏仁1.7g
右九味を水一斗を以て煮て四升を取り、一升を温め服す。当に小なる汗すべし。薄く背を覆い、几に憑りて坐す。
汗出づれば則ち愈ゆ
右の九味を水400tと共に160tまで煮詰め、四回に分けて1回40tずつ温服する。
少し汗をかくから薄く重ね着させてやり壁等にもたれかからない様に座らせ、汗が出れば治る。
汗せ不れば更に服す。禁ずる所無し。風に当たる勿れ。
汗をかかなければ更に服させなさい。禁ずる所は無い。但し風に当らせてはいけない。
但伏して臥するを得不。ガイ(亥+欠)逆上気し、面目浮腫するを治す。
ただ伏せているだけで眠ることが出来ず、咳が劇しく出て、顔面が少し浮腫する者を治す。
(18)千金三黄湯は、中風で手足が拘急し、百節が疼痛し、煩熱心乱悪寒して、日を経て飲食を欲せ不るを治す。
千金方に三黄湯があるが、これは中風病で手足が曲がって伸びず身体中の節々が痛み、大いに熱がって気持ちがイライラし、
そして熱がると思えば今度は寒さを訴え、日が経つと次第に飲み食いをしたがらなくなる者を治す。
千金三黄湯の方 麻黄五分 獨活四分 細辛二分 黄耆二分 黄ゴン(草冠+今)三分
千金三黄湯の作り方 麻黄5g 独活4g 細辛2g 黄耆2g 黄ゴン(草冠+今)3g
右五味を、水六升を以て二升を取り、分かち温めて三服す。一服すれば小しく汗し、二服すれば大いに汗す。
右の五味を水240tと共に80tまで煮詰め、三回に分けて温服する。一服して少し汗が出れば二回目を服すれば大いに汗が出る。
心熱するには大黄二分を加え、腹滿には枳實一枚を加え、気逆には人参三分を加え、
その時に心熱する者は前方の中に大黄2gを加え、腹満する者には枳実0.7gを加え、気逆(気の上衝)の者には人参3gを加え、
悸すれば牡蠣三分を加え、渇すればカ(木+舌)楼根三分を加え、先に寒有るには附子一枚を加う。
動悸する者には牡蠣3gを加え、のどが渇けばカ(木+舌)楼根3gを加え、先に寒が有る者には炮附子0.2gを加える。
(19)近効方朮附湯は、風虚で頭重く、眩苦極まり、食味を知ら不るを治し、肌を暖め、中を補い、精氣uす。
近効方の朮附湯は、風により虚した者で、頭が重く目眩を酷く苦しみ、味覚も無くなる者を治し、
皮膚の内部を温め、身体の中を補い、精気を益す。
朮附湯の方 白朮二両 附子一枚半皮去にて炮じる 甘草一両炙る
朮附湯の作り方 白朮2g 附子0.3〜0.4g皮を去って炮じる 甘草1g炙る
右三味刻み五銭匕毎に、薑五片、棗一枚、水盞半にて七分に煎じ、滓を去り、温服す。
右の三味を刻み、生姜を指位の太さの品を薄く輪切りにした物を五片と、大棗1個を加え、一盃半の水で七分目まで煮詰め、
滓を去り、温服する。
(20)崔氏八味丸は、脚氣上って入り、少腹不仁するを治す。
崔氏が創製した八味丸は、脚の方の痺れが段々上に上って、臍下まで痺れる者を治す。
崔氏八味丸の方 乾地黄八両 山茱萸四両 薯蕷四両 澤瀉三両 茯苓三両 牡丹皮三両 桂枝二両 附子三両炮じる
崔氏八味丸の作り方 乾地黄8g 山茱萸4g 薯蕷4g 沢瀉3g 茯苓3g 牡丹皮3g 桂枝1g 炮附子1g
右の八味、之を末とし、煉蜜に和して梧子大に丸し、酒にて十五丸を下す。日に再び服す。
右の八味を末とし、煉蜜で和し、一丸0.3gの大きさに丸め酒で十五丸服す。一日二回空腹時に服す。
(最初は三〜五丸から始める。*服用中湿疹が出だせば恐らく地黄が原因の場合有り。)
(21)千金方の越婢加朮湯は、肉極熱すれば則ち身体の津脱しソウ(月+奏)理開き、汗大いに泄れ、歯痢下焦脚弱するを治す。
千金方の越婢加朮湯は、肌肉に熱が有れば身体の津液が漏れ、毛穴が開き、大いに汗が漏れ出て皮膚がただれて分泌物が多く、
脚が腫れて腰から下の足に力が入らなくなり脚がガクガクする者を治す。
越婢加朮湯の方 麻黄六両 石膏半斤 生薑三両 甘草二両 白朮四両 大棗十五枚
越婢加朮湯の作り方 麻黄6g 石膏8g 生姜3g 甘草2g 白朮4g 大棗5g
右六味を水六升を以て、先ず麻黄を煮て上沫を去り、諸薬を内れ煮て三升を取り、分かち温め三服す。
悪寒するには附子一枚炮りて加う。
右の六味を水240tと共に、先ず麻黄を煮て、沸騰したら灰汁を取り去り、残りの諸薬を入れて120tまで煮詰めて滓を去り、
三回に分けて温服する。悪寒する者には附子一枚を炮じて加える。
《中風歴節病の脉證と并びに治・第五》
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